世界の基盤


巨人の皮で仕立てられたドレスは、

王宮のホールに

静かに飾られました。


その夜、仕立て屋は

光る布を見上げて

こうささやきます。


「これは英雄の宝物じゃない。

ぼくを守ってくれた

たった一人の友だちの皮なんだ。」


やがて巨人は山の向こうへ去り、

王国には

小さな街だけが残りました。


しかし視点を変えると、

ひとつの事実が見えてきます。


人々が築いたこの王国は、

はるか昔に残された

巨人の足跡の中に

広がっていたのです。


私たちはときに、

自分たちが立っている

その基盤のことを

よく知らないまま

生きています。


それでも人は

その上に街を築き、

友情を結び、

王国を夢見る。


その小さな営みは

世界の大きさに比べれば

塵のようなものかもしれません。


それでもなお、

どこか

驚くほど

美しいのです。