別れ


けれど

ふたりは

同じ世界には

生きられません。


世界と世界のあいだには、

越えることのできない

境界があるからです。


巨人は

しばらく考えてから、


自分の肩から

光る皮膚を

一枚

そっとはがしました。


それは

巨人の身体であり、

同時に

巨人の世界の

かけらでもありました。


巨人は

それを

仕立て屋に渡しました。


それは

別れの贈り物でした。


そして

越えられない境界に

残された

小さな

しるしでも

ありました。